特定調停とは?任意整理との違い

特定調停の概要

特定調停とは、借金の返済が難しくなった人が簡易裁判所に申し立てを行い、調停委員という中立の立場の第三者を通じて債権者(お金を貸した側)と返済条件を話し合う制度です。かんたんに言うと「裁判所が仲介してくれる任意整理のような仕組み」です。

特定調停の手続きでは、裁判所に申立書を提出すると、調停委員が間に入って返済条件の調整を進めてくれます。本人が自分で申し立てることも可能で、申立手数料や郵送費などの費用が数千円程度と安いのが特徴です。そのため、専門家に依頼する費用を用意できない場合でも利用しやすい手続きといえます。

一方で、本人が原則として裁判所に出頭しなければならず、手続きや資料準備も自分で行う必要があります。そのため「できるだけ費用を抑えて借金整理をしたいが、自分で動ける」という人に向いている制度です。

任意整理との違い

特定調停と任意整理はどちらも「借金の利息をカットして分割返済を目指す制度」ですが、手続きの進め方に違いがあります。主な違いは以下の通りです。

  • 手続きの場:任意整理は弁護士・司法書士が直接交渉するのに対し、特定調停は簡易裁判所を通して進めます。
  • 費用:任意整理は1社あたり数万円の費用がかかるのに対し、特定調停は裁判所への申立費用が数千円程度で済みます。
  • 出頭義務:任意整理では基本的に専門家が代理で交渉するため本人が出向く必要はありませんが、特定調停は本人が裁判所へ出頭する必要があります。
  • 柔軟性:任意整理は交渉の自由度が高いのに対し、特定調停は裁判所が関与するため、調停委員の判断に影響される部分があります。

つまり、任意整理は「専門家に任せてスムーズに進めたい人向け」、特定調停は「費用を抑えたいが自分で動く覚悟がある人向け」という違いがあります。

特定調停のメリット・デメリット

特定調停を検討する際は、メリットとデメリットを理解しておくことが大切です。

メリット

  • 費用が安く、数千円程度で申し立てできる
  • 裁判所が関与するため、交渉が進みやすい場合がある
  • 利息や遅延損害金をカットして、分割返済が可能になる

デメリット

  • 本人が必ず裁判所に出頭しなければならない
  • 手続きの準備や書類作成を自分で行う必要がある
  • 元金の大幅減額は難しく、返済負担が完全に解消されるわけではない
  • 信用情報に事故情報として登録され、約5年間は新規の借入が難しくなる

特定調停は「弁護士に依頼する費用はないが、返済計画を立て直したい」という人に向いています。一方で、借金が高額すぎる場合や収入が不安定な場合には、個人再生や自己破産といった別の制度を検討したほうが良い場合もあります。

まとめ

特定調停とは、裁判所を通じて返済条件を調整する債務整理のひとつで、費用が安い反面、自分で出頭や書類作成を行う必要がある制度です。任意整理との大きな違いは「誰が手続きを進めるのか」「費用の負担がどれくらいか」という点にあります。

「特定調停 任意整理 違い」を理解したうえで、自分に合った制度を選ぶことが重要です。不安がある場合は、まずは弁護士や司法書士の無料相談を利用して、どちらが自分に適しているかを確認すると安心です。借金問題は必ず解決の道があるので、早めの行動が生活再建の第一歩となります。